請求額を90%削減成功した80万円の解決金で調停成立

事案
ソフトウエア会社Yがアプリ開発を外部会社A(代表者はX1名のみの個人会社)へ業務委託(外注)していたが,Xはうつ病になりアプリ開発と頓挫させてしまった。Xの病気の回復を待ってアプリ開発を再開することになっていたが,XはY社の「労働者」であり,Y社代表者よりパワハラを受けた為,休職に追い込まれたとして,慰謝料等合計約800万円を請求する労働審判を提起してきた。
結論
80万円の解決金にて調停成立請求額を90%削減成功
この事案のポイント
- Xは,Y社の「労働者」であり,パワハラを受けたと主張して慰謝料等合計800万円もの金銭を要求していた。しかし,XとY社との関係は業務委託でありXは「労働者」ではなかった。また,Y社の代表者がパワハラを行った事実も無く,パワハラを証明する証拠も乏しいものであった。
- 会社側は,労働者が残業をしていなかった実態を示す業務日報,作業進捗表等の証拠を積み上げ,残業代が発生していないことを積極的に主張立証した。
- その結果,労働審判委員会は,XとY社との間に雇用契約関係は無く,Xの「労働者」性を否定した。もっとも,Y社のA社に対する業務委託料の未払いが一部あったとして,最終的な解決金額は,Xの請求額を大幅に下回る金額を調停案として提案した。
- 会社側は,労働者側の請求金額を大きく下回る労働審判委員会の提案を受け入れ,早期解決を優先して解決した。
依頼者の声
事実無根の請求を退けていただきありがとうございました。弊社のようなソフトウエア開発会社は雇用契約関係にある「労働者」のみならず,外部の個人経営のシステムエンジニア(SE)へ外注することも多くあります。今回のように業務委託終了後に解雇や残業代のトラブルに巻き込まれることも多いと聞いています。今後もトラブルになりましたらよろしくお願いします。