労働審判

業種:ごみ収集運搬会社

請求額を100%削減成功した0円の解決金で調停成立

ごみ収集運搬会社

事案

地方公共団体のごみの収集運搬を業とするY社は,収集運搬業務に従事する社員としてXを雇用していた。Xは勤怠に問題は無かったが,協調性を著しく欠き,他の社員と度々もめ事を起こしていた。そこで,Y社代表者はある日Xを強く注意した。Xは落ち込んだ様子を見せたが注意指導を受け入れ帰宅した。その翌日,Xは親族を介して有給を消化する旨Yへ通告し,以降,Yへ出社することは無かった。Yは休職制度を適用していたところ,Xの復帰の見込みがなかった為,休職期間満了によりXは退職となった。ところが,XはY代表社のパワハラによるストレスで仕事が出来なくなったのであるから業務災害であり解雇は無効でると主張して地位確認請求(年収約300万円),賃金請求200万円,慰謝料請求100万円を請求する労働審判を提起した。

結論

会社の金銭支出0円で調停成立請求額を100%削減成功

この事案のポイント

  • 労働者側は,Y代表者による常軌を逸したパワハラにより勤務が出来なくなったのであるから業務災害であると主張した。しかし,Xは主治医の診断書を提出するものの,その内容はXの主訴をそのまま記載した内容に過ぎず客観性の乏しいものであった。また,Xは仕事が出来ないと主張しながらもSNSで元気に遊んでいる様子をアップするなどしており,病気であったというXの主張と客観的に矛盾する証拠が存在していた。さらに,Xは業務災害であるとして労基署へ労災申請を行っていたが,労基署は労災認定を認めなかった。
  • 会社側は,Xが休職期間中,元気に遊んでいた様子がわかるXのSNS(FACEBOOK)のスクリーンショットを証拠として提出するとともに,Xが提出した主治医の診断書は医学的信憑性が無いことを厳しく糾弾した。
  • その結果,労働審判委員会は,Xの主張を全面的に退ける心証を開示した。調停案はYに解決金の支払い等の新たな金銭的負担は無く,Xが会社都合に退職したことや会社都合による離職票の発行といった程度の内容であった。
  • Y社は実質勝訴の調停案を受け入れ調停により解決した。

依頼者の声

今回は大変お世話になりました。社会保険労務士の先生のご紹介頂き,Xが欠勤を開始した後より継続的に相談させて頂いていたことが最大の勝因だと思います。対応を間違えれば,不当解雇やパワハラなどで会社が莫大な損害賠償責任を負わされるところでした。今後もトラブルに巻き込まれそうになりましたら早い段階で相談依頼をさせて頂きたいと思います。今回はありがとうございました。