交渉案件

業種:家電製品販売会社

請求額の64%の約90万円の解決金にて合意成立

家電製品販売会社

事案

独自製造の家電製品を販売する会社の大阪支店長として雇用していた男性社員がいた。当該社員は,大阪支店の包括的な営業権限を有し,出退勤に関しても広大な裁量を有していた。さらに,支店長として十分な手当を支払われていた。ところが,本社の経営方針に反発し,会社を退職することになった。退職直前になり,退職直後,当該社員に選任された弁護士より,残業代請求の催告書(内容証明)が会社に送られてきた。そこには,合計約250万円にのぼる未払賃金の請求が記載されていた。そこで,会社は直ちに吉村弁護士に対応を依頼した。

結論

約90万円の解決金にて合意成立請求額の64%に削減成功

この事案のポイント

  • 労働者側は,自ら作成していた出張日報に基づいて残業代を請求してきた。
  • 会社側は,①日報に記載された時間は実際の労働時間とは整合しないこと,②管理監督者に該当するためそもそも時間外割増賃金が発生しないこと,③仮に管理監督者に該当しないとしても就業規則上定められた事業上外みなしの規定の適用により出張中については所定労働時間勤務したとみなされ残業代はほとんど発生しないこと等を主張して争った。
  • ①については,労働者側にて裏付ける証拠が存在しなかった。②については,日報という形で時間を本社へ毎月報告していたこと等から管理監督者に該当するかは微妙な状況であった,ただ,③出張が多く事業上外みなし規定が適用されることは明らかであった。
  • 吉村弁護士は上記会社の主張を文書で整理する共に,事業上外みなしに関する裁判例を整理した表を作成し,本件に事業上外みなし規定が適用されることは裁判例との比較において明らかである事を相手方弁護士に示した。その結果,裁判前の交渉としては,事業上外みなし規定の適用があることをベースとした交渉が行われ,その結果,最終的には大幅に減額した金額にて解決することが可能となった。
  • 会社としては,早期解決を重視して,交渉による和解で解決を図った。

依頼者の声

ありがとうございました。無事に解決して安堵しております。当該社員は大阪支店長ということもあり大幅な裁量を与えておりました。それに伴い,厳格な労働時間の管理は行っておりませんでした。幸いにして事業上外みなし規定の適用が認められ,それをベースとした解決ができ助かりました。この経験を下に今後は当社内の体制も改めて参りたいと思います。今後ともご指導をよろしくお願いします。